暗闇の中に浮かび上がる光の絨毯! イルミネーションで冬の遊園地を活性化せよ
古屋 イルミリオンの企画は、さがみ湖リゾート プレジャーフォレストという遊園地が冬の間は休園同様になってしまうという現状をなんとかしたい、というところからスタートしています。会場は、首都圏に近いにもかかわらず夜になると街灯ひとつない、真っ暗闇なんです。都心のイルミネーションは周りの街頭や建物の灯りの中で展開されているが、この暗闇の中で、イルミネーションを点けたら、非常に映えるのではないか? という発想がもとになっています。企画が持ち上がったのは2008年の暮れ頃。2009年暮れのスタートを目指して、まずは勉強のために関東周辺のイルミネーションの名所といわれるところを部内で手分けして数十カ所歩いて回りました。LEDイルミネーションも、様々なメーカーに当たり、サンプルを取り寄せたりしました。

茂手木 私は、さがみ湖リゾート プレジャーフォレストの営業という立場でこのプロジェクトに参加しました。近隣では宮ヶ瀬という、イルミネーションの名所があります。何もないようなところなのですが、イルミネーションの季節になると30万人もの人が集まる。さがみ湖リゾート プレジャーフォレストを変えるには、これしかない、と思いました。都心からのアクセスもいいし、近隣には大学も数多く点在しています。演出面でも、周辺が暗いということや、山の斜面を利用した施設という条件もあり、ユニークなイルミネーションを展開できるのでは? と思いました。
古屋 私は企画開発の担当として、部内で協力しながら2008年の暮れごろから企画のコンセプトを詰めていきました。球数を100万球にしようと決まったのが2009年の春の段階です。「売りにするのは何か?」と考えた時にやはり球数だろう、ということになったんです。そこから、協力会社さんとお話ししながら、プランニング、投資額の算出へと進んでいき、社内でのプレゼンを行いました。結果は「NG」、費用がかかりすぎる、という理由でした。でも、どうしても実現させたくて、イルミネーションの設置・撤去方法などコストダウンを図り、投資額を抑えます。だからやらせてください!」と会社にお願いしたんですね。イルミネーションの費用の多くを占めるのが、電球の設置と撤去にかかる工賃なのです。その設置と撤去をできる限り自分たちでやることで、大きく投資額を抑えられるという算段でした。

ただし、その時には本当に素人が設置できるものかどうかは全くの未知数でした。ただ、「どうしてもやりたい」の一念ですね。2009年の秋にようやくイベント実施の決済をもらったのはいいのですが、部材の発注期限も迫り、設置方法の知識もほとんどないという状態です。それまでは業者に設置をお願いしようと考えていたわけですからね。LED電球を購入した業者さんや懇意にしている装飾業さんに、毎日質問攻めでした。
LED部材が来たのが、11月18日でした。オープンが12月11日。オープンまで1カ月を切っている、という状態からのスタートです。本来なら専門の業者さんに設置と撤去を全てやってもらうことをお願いするのに対して、今回は100万球のLEDをさがみ湖リゾート プレジャーフォレストのスタッフと私たちで設置するほかないわけです。企画部では、ローテーションスケジュールを作って常に誰かが設置作業を手伝いに行くようにしていました。しかし、一番大変で、がんばったのは、さがみ湖リゾートの方々です。

茂手木 さがみ湖リゾート プレジャーフォレストは、イルミリオンが始まるまでは、冬の間、パートさんやアルバイトのみなさんには休んでもらわなければなりませんでした。夏の間一緒に働いていた人たちに休んでもらう。これが一番つらかった。イルミリオンができれば、冬の間も一緒に働ける。さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト側としては、なんとしても成功させたい企画でしたから、設置作業がいやだなどという社員、スタッフは一人もいませんでした。これをやるしかないんだ、という思いで、全員で取り組みました。キャッチフレーズに使っている「関東最大級のイルミネーション」という言葉にもモチベーションは高まりました。一体感も生まれたと思います。毎日15人体制で設置しました。専属以外のスタッフにも夜になって手伝ってもらったり。雨の日も設置していました。
古屋 最初に、デザイン画に基づいて、敷地におおまかにスズランテープを貼り、それを基準に各色のLED電球を設置していきましたが、最初は試行錯誤の連続でした。LED電球を斜面の下の方から設置する計画だった場所では、作業効率優先で上側からどんどん設置してしまった結果、青色のLED電球が足りなくなってしまい、時間をかけて設置したものを泣く泣く外して付け直した事もありました。これにはみんな参ってしまいましたね。光のトンネルも、作り方が良く分からないので、既存のテントの骨組みに網を張り、その上にLEDを取り付けてみたりして、本当に手探り状態でした。とにかく時間がなかったので毎日のように、現場での即断即決をしていましたね。






