富士山とともに
次の100年へ

自然環境に配慮した事業の推進—資源循環

基本的な考え方

富士急グループでは、持続可能な地域社会の実現に向け、自然環境に配慮した開発や、資源の有効利用、廃棄物の削減にも積極的に取り組んでいます。また、富士山エリア活性化の一環として地産地消を推進し、経済的な側面においても、人・物・エネルギーの循環を促進させていきます。

推進体制

関係会社統括部門である富士急行株式会社事業部(技術・環境・CS推進課)が、グループ全体の資源循環を推進しています。事業で使用する資材の取引先様に対しても協力をいただいています。資源・廃棄物については、地域社会の皆様やお客様とともに削減に努め、リユース・リサイクルなどにも取り組みながら環境負荷低減を図ります。

具体的な取り組み

オペレーショングリーンの導入

当社では、IT機器の導入を伴うペーパーレス化を推進しており、オペレーショングリーンの考え方を試験的に導入しています。ごみの分別はもちろん、移動や通勤での公共交通機関の積極的な利用などに取り組み、他部署への水平展開を進めていきます。

中古車両の導入、リノベーション、再活用

他の鉄道会社で利用され引退した車両を譲り受け、車両新造にかかる環境負荷を低減させています。

リノベーション車両

リノベーション車両

索道乗車券Webチケット導入によるペーパーレス化

Webチケット対応により、磁気乗車券や紙乗車券と比べ環境負荷の軽減を図っています。

レール・車両の再利用

鉄資源の削減のため、交換時期を迎えた鉄製のレールをホームの建材に活用するなど、再利用しています。ほかにも、引退車両は河口湖駅の構内での展示や、下吉田駅の留置線に設置し、イベントの際には開放しています。

Plaza Fontana -Numazu Station-

沼津駅前に2023年4月に開業した新商業施設「Plaza Fontana -Numazu Station-」では、省エネ設備の導入はもちろん、外壁建材には持続的な循環型リサイクル事業モデルを確立した建材を採用することや、瓦をリサイクルした舗装材を活用するなど随所に工夫を凝らすことで循環型社会を進める取り組みを行っています。

自然環境に配慮したアトラクション設計

富士急ハイランドで2023年7月に開業した大型コースター「ZOKKON」は自然環境に配慮した設計を随所に取り入れています。

敷地内の緑化 コースター敷地内の緑化を進めることにより、快適な空間創出だけではなく大気の浄化や遊園地内のヒートアイランド現象の抑制、地球温暖化の防止などに貢献しています。
ソーラーパネルの設置 駅舎の屋根にソーラーパネルを設置し、プラットホーム内の一部電力を賄っています。
内装材に再生材(リサイクル内装ボード)を使用 使用済みのコーヒー豆など多岐にわたる廃棄物を利用したリサイクル内装ボードを駅舎の壁面に使用し、廃棄物の削減に貢献しています。
屋外通行路に間伐材を再利用した床材を使用 間伐材や廃木材などのウッドチップを含むモルタルブロックを屋外通行路に使用し、遊園地内のヒートアイランド現象の抑制や除草、除菌、消臭などに貢献しています。
富士山の溶岩石の再利用 敷地内の工事過程で地中から掘り出された富士山の溶岩石を修景デザインとして再利用し、廃棄物の削減に貢献しています。

「FSC認証」紙製品利用による脱プラスチック

富士急ハイランド内トーマスランドのレストランやショップでは、2021年からプラスチック製の容器を「FSC認証」を受けた紙・木製品や、植物由来の製品などに順次変更しています。また、2023年7月からお土産売り場で販売している紙袋をリニューアルしました。地域応援と恋愛応援をテーマにデザインし、紙袋の左下にデザインされている芽は富士急ハイランドの「木を大切にする想い」と皆様の「恋の芽生え」をイメージしています。

FSC認証:環境や地域社会に配慮して適切に管理された森林から生産されたものであることを証明する国際的な認証です。

富士急ハイランドの紙袋

富士急ハイランドの紙袋

トーマスランドの食器・カトラリー

トーマスランドの食器・カトラリー

地産材や廃材を活用したリノベーション

富士急ハイランドでは、地元山梨県産のヒノキを使用し、既存ベンチの座面と背もたれの木板交換を行っています。また、ジェットコースター「FUJIYAMA」のレールを定期交換する際に出た廃鋼材を再利用し、園内にベンチを設置しています。

リユース食器の導入

2022年に河口湖駅にて富士山麓電気鉄道が開催した「富士山麓電鉄 ビール&トレインフェスティバル in 河口湖」では、山梨県下吉田市の醸造所「BRIGHT BLUE BREWING(ブライトブルーブルーイング)」のクラフトビールを提供しました。このイベントで使用したカップは、認定NPO法人スペースふう(山梨県南巨摩郡富士川町)が提供するリユース食器です。イベントで大量に捨てられてしまうカップについて、返却可能なリユース食器を使用することでゴミを大幅に削減することができ、環境への負担を大きく減らすことができました。
また、イベントでの使用後、記念にそのまま持ち帰ることができるオリジナルリユースカップも販売しました。今回のイベントのために特別醸造されたオリジナルエール「モ1エール」のボトルラベルと同じデザインで、富士山麓電気鉄道開業時の車両モ1型を連想させる“さび朱色”で描かれています。

レンタルリユースカップ

レンタルリユースカップ

オリジナルリユースカップ

オリジナルリユースカップ

エコ清掃と間伐材を使用した「エコ清掃カード」の導入

ハイランドリゾート ホテル&スパでは、環境保全への取り組みの一環として2022年4月から連泊時の客室清掃に「エコ清掃」を導入しました。エコ清掃では、連泊時の客室清掃やリネンの交換を行わず、再利用することでCO2、水資源、使用電力を削減し、地球環境保全に取り組むものです。 また、エコ清掃に賛同・協力いただけるお客様には、富士山の森の間伐材で作成した「エコ清掃カード」のご利用をお願いしています。

エコ清掃カード

エコ清掃カード

エコアメニティの導入

ハイランドリゾート ホテル&スパでは、環境保全への取り組みの一環として2020年4月から客室に用意しているアメニティを、環境にやさしいエコ商品に変更しました。
歯ブラシ、カミソリ、ヘアブラシなどの使い捨てアメニティは、籾殻を原材料にしたバイオマス樹脂を使用している環境にやさしいエコ商品を導入し、プラスチックごみの削減に取り組んでいます。また、シャンプー、コンディショナー、ボディソープといったバスアメニティのミニボトルを廃止し、富士河口湖町に工場を有する松山油脂社の詰め替え可能なポンプ式ボトルを導入しました。

バイオマス樹脂を使用したアメニティ

バイオマス樹脂を使用したアメニティ

詰め替え可能なバスアメニティ

詰め替え可能なバスアメニティ

富士ミネラルウォーターの取り組み

富士ミネラルウォーターでは2021年から「FSC認証」を受けた紙資源を使用した「紙パック容器」のナチュラルミネラルウォーターを販売しています。キャップについても、2024年4月からサトウキビ由来素材のバイオキャップを採用しています。これまでも富士ミネラルウォーターでは、業務用商品へのリターナブル瓶使用の徹底や、ラベルレスの非常用5年保存水の発売と、サステナブル社会の実現に取り組んできました。本取り組みはそれらに続くもので、従来のペットボトル容器に比べ、プラスチック材料使用量を約75パーセント削減することができます。